「第二回 あのころのいじめとわたしに会いにいく読書会」開催しました。

かかしの旅、ふたたび。
先週末の「第二回 あのころのいじめとわたしに会いにいく読書会」違う人と読むと、違った景色が見えました。
大学生から、カフェ経営者まで、さまざまな4人が集って、読んで、感じて語る会です。
小説は、前回とおなじく 稲葉真弓著『かかしの旅』。
https://www.amazon.co.jp/dp/4022571497
(『いじめの時間』というアンソロジーに収録されています)
5通からなる手紙で書かれた小説を、一通ずつ分担して黙読し要約して、順番に話します。
公園、海岸通りの倉庫。体育館。
パズルのピースが合うように、徐々にみえてくる景色。
自分の担当の手紙に書いてある色が、
他のひとの担当したものでまた、ちがう色合いを帯びる。
ナビゲーターの舟之川聖子さんが要所要所で補足を入れてくれます。(自作の人間関係図が秀逸!)
そして、人と人のつながりかた、逃げ方、居場所のことを、考えました。
あのときこうしていたら。人生にはそんなことがたくさんあるけれど、もしあのときの私に、あなたに、この言葉を贈れたら。
作中のおばあちゃんが言う印象的な言葉
「こころの糸電話を、相手に伸ばしてごらん」
「それに向かってつぶやいてごらん、声にならなくてもいい」
「それはきっと届く」
直接会って話せなくても、この祈りのようなつながりが、こころを救う場面はきっとあるだろうな。
私だったら、だれに糸電話を伸ばすだろうか。
みんなの想い、思い出と共に読むと、ひとりでは見えない景色が見えたひととき。
作中の少年が、立ち止まり、そして夏に向かってすすんでいく姿を、みんなで見送ったような2時間でした。
本の向こうに見える世界、自分の過去や未来かも。いっしょに見てみよう。
次回開催もお楽しみに! スタッフさとみ