こんにちは。
スタッフで助産師のさいこです。
おっぱいを何歳まで続けるか。
みなさんどのように決めましたか?
長く続けたいと思っても、
仕事復帰の時にあきらめたり、
世間と考えが合わないことに戸惑ったり
することもありますね。
おっぱいを長く続けた人にインタビューしてみました。
①おっぱいを長くあげようと思った理由
・欲しがるままにおっぱいをあげることで
気持ちを我慢せずに
表現できる関係性を作りたかった。
おっぱいへの未練なく育って欲しかった。
・最初で最後かもしれないと思ったので、わたしも娘も納得するまであげようと思っていた。
・ミルクの吐き戻しがひどい。
離乳食を食べない。
となるとおっぱい。
自分の向いてる方向がおっぱいありきの育児でした。
途中、やめたい、しんどいと思ったし、
息子にやめようと言っても失敗。
息子のおっぱいへの愛が深すぎて、曲げることは無理な気がしたので受け入れることにしてみました。
今思えば、育児は思い通りに行かないということを学んだひとつの経験かもしれません。
どこまで続くか腹を括ってみたら卒乳への道はするするする〜と行ったような気がします。
最後は私とではなく、歯医者さんと約束しておっぱいとバイバイすることに。
断乳とも呼ぶのかもしれませんが、私たちの中では立派な卒乳と捉えています。
・ミルクと母乳の混合でやっていた時、母乳の時間は私の気持ちが穏やかになるのを感じました。私が安定すると子どもも穏やかでした。
2人目は完母。1人目の混合と比べて、かなり楽。母親の私にとって、負担がかなり違いました。ストレスも。
②おっぱいを長くあげて良かったこと困ったこと
よかったこと
・食物アレルギーがあり、食べ物を我慢しなければならない時のおっぱいは最強。
・必要な場面で熱が出せる息子の身体をありがたく思っています。
今では食物アレルギーも克服して心も身体も伸び伸び成長しているなぁと感じています。
・ほぼ風邪をひかない。
・不安を感じれば、自然と触れてくる。スキンシップの時間はお互い安心する、という関係性が小さい時から築かれている。
・指しゃぶりなど癖が残らなかったのはおっぱいへの未練がないからかなと勝手に自負している。
・近所の人や担任の先生から娘の性格をほめてもらうと、元々の性格が大きいとは思うが、好きなだけおっぱい飲んだからかなーと勝手に少し誇らしく思っている。
・今でも飲んでいる姿を見ているととても愛おしい気持ちになって、癒しの時間になっていること。
困ること
・おっぱいを飲みながら、反対側のおっぱいを指で転がして遊ばれること。そうされることがとても不快になってしまっていること。
・痛い時がある。
・おっぱいが吸いたくなったら本能のまま「おっぱーい!」と叫ぶこと。笑
「おっぱーい!」とジタバタ叫ぶ息子を抱えながら街を走ったこともあります。笑
今では良き思い出です。
③母乳をあげながら復職した体験談とアドバイス
・保育園帰り保育園で授乳させてもらってから帰路についたり。
帰路でスリング授乳しながら帰ったりしたこともありました。
帰宅してから1時間近くおっぱいにへばりつくなんてことも。
一度おっぱいとなると我慢はできないので、とにかくおっぱい欲を満たしてから家事などしていました。
帰宅後は私もヘトヘトなので、授乳時間に休むことができてよかったです。
特別なことはせず、これまで通りただただおっぱいを続けていました。
・お茶と食事も摂れましたがまだまだ母乳の比率が高くて、
保育園でお茶や食事を拒否してしまいました。
先生から断乳を進められました。
場所に慣れれば食事を摂れるようになるだろう!と前向きに考えて、断乳せず
表向きは「徐々に減らしてます」と伝えてました。
予想通りすぐに保育園に慣れて食事を摂れるようになりました。
・復職後も1年以上夜間も授乳していた。
並んで寝て、そのまま添い乳するのでそんなにつらくなかった。
添い乳に賛否両論あるが、お互いに楽なのでよかった。
④振り返ってみてこうすればよかったと思うこと
・やりきってよかったなぁと思っています。
・1人目の時は、おっぱいを欲しがるままに長く授乳した方が良い、子どもと一緒にいた方が良い、という思い込みに縛られて
母乳育児を楽しめないまま2歳7ヶ月までがんばりました。
2人目は2歳で断乳と決めて、仕事も始めて、いい気晴らしになり、楽しく母乳育児ができました。
どちらもいい経験になりました。
・特にありません。
授乳の進め方によっては違うスタイルになっていたかもしれないけれど、今の形がわたしと娘のやり方にはあっていていて、ここまで続けて来られたのだと思うので良かったのかなと思います。
⑤思い通りにいかなかったことや育児の本質に触れたな〜と思った瞬間はどんな時ですか?
・思い通りに行かないことなんてザラにあります。
その時にどう寄り添うか、どういう手立てを提案できるか、どうしのげるか、向き合うのか逃げるのか。
それって人やその家族それぞれだと思います。
育児の本質ってなんだろう。
常に本質に触れて暮らしているような気もするし、それが生活の一部な気がします。
・まだまだ先の話でピンとこないとおもいますが。。。
現在、長男は中1、次男は小4ですが、いまだに思い通りにはなりません笑。
腹が立つ事も多々ありますが、自己が出できたのかなぁと安心するところでもあります。
今の私は、「大人の固定観念をぶつけず、子どもの主張もきちんと聞く」ことを大事にする様に心がけてます。
どんなに小さくても子どもなりの主張があります。間違った主張ばかりではなくて、こちらが考えさせられることもあります。
子どもがのびのび育つ環境(なんでも話せる)を家庭内でつくるのも育児のひとつかなと思ったりします。
・思い通りにいかないことばかりです〜
ゆずれないことを持つことも大切。
でもこだわりすぎず、
子どもや家族に合わせて
いい塩梅を探ることも大切。
我が家はどんな感じだと
みんなが快適なのか。
家族の成長に合わせて
軌道修正を繰り返して
ずっと育児は続いていくんだなと思います。
・飲みたい時は飲みたい!
という、
こちらの都合はなくて、あくまでも娘主導のおっぱい時間は、育児の本質に触れているように思います。
【助産師さいこより】
●授乳期間中の母親の食事
味噌汁とご飯などの和食がおすすめです。
先祖代々食べて来ている日本人の体質に合う食事だとおっぱいがラクだし、赤ちゃんの機嫌も良くなります。何より健康になります。
何を食べてもトラブルのない人や、
ちょっと脂っこいものを食べただけでつまってしまう人など人それぞれ。
お母さんが楽しく食べるのが一番!
おっぱいと赤ちゃんの様子を見ながら
好きなものにもチャレンジしてみましょう。これなら大丈夫、と段々分かってきます。
●断乳と卒乳
WHOでは2歳以降まで母乳育児を継続することを推奨しています。
断乳は真夏や真冬を避けて日にちを決めたらカレンダーなどに印をつけて
1週間くらいカウントダウンをします。
その日が来たら最後のおっぱいだと伝えてゆっくり授乳します。
泣いて欲しがる期間は3日が平均です。
外出や楽しみを増やして乗り越えます。
おっぱいは、パンパンで我慢できなくなったら搾ります。キャベツや、濡らして冷やしたオムツなどで冷やすと少し楽です。搾る間隔が徐々に伸びていきます。
乳腺炎の経験がある方などは断乳前からおっぱいマッサージに通っておくと安心です。
卒乳は、赤ちゃんが大きくなって自らおっぱいを必要としなくなる時を待つという考え方です。
●離乳食
おっぱいを続けていくことは良いことですが、
「おっぱいだけでいい」ということはありません。
お父さんお母さんが食べる様子をたくさん見せてあげて
よだれをたらしたり
食べものを手で取ろうとしたら
ゆっくり柔らかいものを与えていきましょう。
●おすすめの本
・日本母乳の会 母乳育児シリーズ1
「離乳食」
・日本母乳の会 母乳育児シリーズ2
「卒乳」
・赤ちゃんはおっぱい大好き すずきともこ 自然食通信社
・おっぱいの宝箱〜母乳育児体験文集〜赤ちゃんとママの集い Tea Party 編
●ゆっくり2人のペースで
たくさんふれあいましょう
早く一人立ちさせるために
ひとり寝をさせる
抱き癖をつけない
などしつけるのは
海外から入って来た方法です。
日本人は先祖代々
川の字で眠り、
添い乳をして
おんぶして家事や仕事をしてきました。
赤ちゃんの心身の発育には栄養と、
抱っこ、語りかけ、
授乳の時間のスキンシップが大切です。
授乳を通してお母さんへの信頼関係ができます。信頼する心が育つと「自立」の基盤になります。
栄養学的に母乳が必要な時期を過ぎると
おっぱいは赤ちゃんの安心基地になります。
戻るところがあれば、怖いことにもまた立ち向かって行けます。
お母さんの安心基地を確保できている赤ちゃんほど安心して自立の道を進みます。
お母さんが可能な限りおっぱいを続けてあげてください。
ただおっぱいの期間が短くても
抱っこやミルク授乳の時間でたくさん触れ合うことで安心して育っていきます。
