産後はこころぼそい

上の子を産んだ後は里帰りした。
実家での生活を終えて
自宅に戻った。
バイクで出勤する夫を
子どもを抱っこしながら
ベランダから見送ると
涙が出た。
夜まで2人きりだ。
歌をうたってあげても
自分の声だけが虚しく響く。
今頃みんな何をしてるのだろう。
つい数ヶ月前に退職した総合病院。
ナースステーションを出れば、
婦人科の患者さんや産後のお母さんたちが
そこにはいて、
いつでも誰かとしゃべれたなんて。
幸せな環境だったのだなと思う。
宅配便が来るだけで嬉しい。
人と話したい。
1歳を過ぎると
同い年の子に会うことが増えた。
こんなにたくさんの子が
近くのおうちにそれぞれ
こもっていたなんて!
「なんで外に出て来なかったの⁈
つらくなかったの?寂しくなかった?」
と、聞くと、
「外に出る余裕がなかった。
外に出る余裕があるというのは
逆にすごいよ。」
と言われた。
そして、
「つらいとかマイナスな気持ちは
隠す人が多いけど
オープンに話せるのはすごいことだよ。」
とも言ってくれた。
私にとっては、
外に出たい
つらい気持ちを共有したいっていう
ただ単純にそんな気持ちだったのだけど
人それぞれ
大変さがあり、
隠しておきたいこともあり、
ダメな私、と思っていたところも、
違う人にとっては、
すごい!と思ってもらえることもあるのか。
本当の自分に出会えたことと
人恋しくなれたことが
子育てをがんばった私への最高のギフト。
          スタッフ さいこ